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 どこかのお店に行った時、「タイヤが減ってますね」と言われたことはありませんか?これを言われると、タイヤはそろそろ交換時期です。
  タイヤが減る事を「磨耗」といい、タイヤのミゾがだんだんと減っていきます。タイヤは車が走ったり、止まったりする時の摩擦力で磨耗が進みます。この摩擦力が強くなると、磨耗は早く進みます。つまり、「運転が荒いほど、タイヤはよく減る」という事です。

タイヤの磨耗の主な原因
荷 重 荷重が大きくなるほど、タイヤのたわみが増して磨耗が進む。
速 度 高速走行になるほど、トレッド(タイヤの接地面)の動きが大きくなり、発熱も加わり磨耗が進む。
空 気 圧 指定空気圧を下回ると、トレッドの動きが大きくなって、磨耗が進む。
コーナリング 路面との摩擦が生じ、磨耗が進む。
ブレーキ 高速時のブレーキはタイヤと路面との間の摩擦を大きくし、磨耗を促進

  タイヤのミゾは磨耗で減っていきます。では、ミゾは何の役割をしているかというと、ズバリ、『排水』です。雨の日や水たまりなどで、濡れた道路を走る時、ミゾが路面の水をかき出してくれるのです。他にも走行時にでる音を吸収したり、衝撃をやわらげるなど、クッションのような役割もするのですが、タイヤのミゾで一番重要になる性能は、『排水性』でしょう。

 
つまり、タイヤのミゾが減ると雨の日に車が止まりにくくなるのです。時にはタイヤが水の上を滑って止まれなくなる『ハイドロプレーニング現象』という恐い現象が起こってしまうこともあるのです。

タイヤサイズ:195/65R16、タイヤパタン:GR-5000、テスト車両:トヨタ マーク2(ABS搭載車)、テスト場所:ブリヂストンプルービンググラウンド、水深:2mm、制動初速度:80km/h、路面:アスファルト

 ここでは『ハイドロプレーニング現象』という現象を説明したいと思います。『ハイドロプレーニング現象』とは、路面とタイヤの間にできた水膜を滑ってしまう現象です。磨耗したタイヤでは水をかき出す力が低下してしまい、路面とタイヤの間にある水の抵抗力でタイヤが路面から押し上げられてしまうのです。こうなるとタイヤは路面から浮いた状態になってしまい、車が操縦できなくなるのです。…とても危険です。

 ここでは『ハイドロプレーニング現象』という現象を説明したいと思います。『ハイドロプレーニング現象』とは、路面とタイヤの間にできた水膜を滑ってしまう現象です。磨耗したタイヤでは水をかき出す力が低下してしまい、路面とタイヤの間にある水の抵抗力でタイヤが路面から押し上げられてしまうのです。こうなるとタイヤは路面から浮いた状態になってしまい、車が操縦できなくなるのです。…とても危険です。

速度の違いによるハイドロプレーニング現象の実験(タイヤ接地部をガラス越しに撮影)
  0km/h 60km/h 80km/h 100km/h







タイヤは完全に接地している タイヤはほぼ接地している タイヤの接地面の一部が浮いてきた タイヤはほとんど浮いた状態になっている

 ミゾが減らないために『摩耗』を防ぐ方法は、残念ながらありません。ゴムを主体に作られたタイヤは、本来摩耗するものなのです。もし、ほとんど摩耗しないような素材でタイヤが作られていたら、乗り心地が悪くなって、とても使用に耐えられないでしょう。タイヤは走行時の衝撃をやわらげる役割も担っています。消しゴムに例えると、よく消える消しゴムは早く減ります。反対に消しにくい消しゴムはなかなか減りません。それと同じように、タイヤも性能の良いタイヤは『減りやすい』、悪いタイヤは『減りにくい』のです。タイヤは走るほど減るのです。ただし、摩耗をなくすことは不可能ですが、摩耗を遅らせる技術はあり、様々な基礎研究、素材の開発が日々行われています。

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